先日右の上肢(腕全体)が痛むと言って患者さんが
来院されました。
伺うと、もう数ヶ月も痛みが取れず
気が狂ってしまいそうだと・・・・。
(^_^;)
その間、市内の整形外科、整骨院を受診され
治療を受けたそうですが、一向に改善せず
広告に載っていた「イケメン院長」の顔に誘われて
当院を受診されたようです。《ここは妄想》(爆)
(≧∇≦)
どのような診断だったのかと伺うと
「テニス肘」であると言われたようです。
そもそもテニス肘ってどんな症状かと申しますと
こちらを参照下さい。
http://www.joa.or.jp/jp/public/sick/condition/lateral_epicondylitis.html
テニス肘って俗称で正確には上腕骨外側上顆炎って言います。
肘の外側に指先からつながってる筋肉がくっついているのですが
指をそらす動作や、手首を返す動作で痛みが誘発出来ます。
で、今回の患者さんはいずれの動作でも痛みが誘発出来ないので
あれ?って思うわけです。
ちゃんと徒手検査したの?って。
レントゲンやMRIでは、筋肉や腱の炎症はよく解らないんですよね。
私も整形外科に勤務していたので知ってますけど・・・。
画像診断で良くわからないものは徒手検査といって
患部やそこに関わる箇所を動かしたり押したりして
どの様な状態に患部がなっているかを調べるわけです。
患者さんにお聞きしたところ、上記の医療機関と整骨院では
そのプロセスと飛ばして治療が始まったようです。
それは言うなれば当てずっぽうで治療を始める様なことで
ウチでは怖くて出来ません。
だって何が起こっているか解らないのに
治療したら悪くしてしまうことだってあるんですよ。
(^_^;)
そこで「診察力」を駆使して、原因を詳細に探ったところ
首の緊張が元になっていました。
首からは腕神経叢といって指先までつながる神経が出ています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/腕神経叢
基本、首から指先まで神経はゆる〜〜く腕の中に収納されているのですが
首の緊張や鎖骨の下辺りの緊張、さらには腕の緊張やむくみによって
ゆとりがなくなってしまいます。
そこでもって腕を使ってますと神経が刺激されて痛みが出てしまうのです。
これを頸肩腕症候群と言いますが、今回の症状も
そんな感じでした。断定は出来ませんがね(職業の性質上)。
なにせ肘だけの痛みではなくて、上肢はあちこち痛みを
訴えておられましたから、どちらかというと頸肩腕症候群の方を
疑うのです。
(あっ、それと長くテニスやってって肘の痛みが取れなくても
こっちの可能性を疑います。)
それで首の検査をすると首が捻挫している状態。
まぁフレッシュなモノではありませんが
こういうのは亜急性の捻挫と考えます。
ここの緊張を緩和させたところ症状は、もちろん一時的ですが
すごく緩和しました。
(^_^)b
あくまで一時的なのはさらに根本原因があるので
そこが改善しないと再発するはずだからです。
その根本原因については長くなるので今回の
お話はここまで。
患部を特定しないと、いかに治癒を遷延させてしまうかという
悲劇のお話でした。
チャンチャン。
(≧∇≦)