では、なぜ膝が伸びきらないのか?
これに関する考察を述べてみますね。
膝関節の”伸展”というヒトの「動作」を
関節単体の動きと、カラダ全体での動きと
二つの側面から考える必要があります。
1)まずは関節単体の動き。
膝関節を伸展させるときには
伸ばす為の筋肉と
曲げる為の筋肉がそれぞれ関与します。
伸ばす為の筋肉(大腿四頭筋)は純粋に伸展動作を
起こします。
同時に、曲げる為の大腿後面筋群は収縮していると
伸展動作を邪魔するので緩むという消極的ではありますが
関与をするのです。
この大腿後面の筋群をハムストリングと言います。
ハムストリングと膝窩筋がかたく縮んでいると
当然ながら膝は完全に伸展しきれません。
結果として、常時軽く曲がった膝の出来上がりです。
この状態で立位(立つ)になると太腿の前の筋肉を
常に収縮しないとその状態を保持出来ない。
ようは立ってられないのです。
試して頂きたいのですが、膝を軽く曲げて立つと
太腿の前に力が入って、伸ばしきると力が抜けませんか?
膝が曲げて立っていると太腿の前の力を入れなければ
膝は更に曲がっていこうとします。しゃがんで行っちゃう
ということですね。
話戻しますが、膝の裏が縮んでいると
太腿の前は力が入ってしまいます。
結果、膝蓋靱帯は脛骨粗面を引っ張りストレスをかけ続ける
と言うことです。
ご理解頂けます?
(^_^;)
それから、もう少しミクロな視点で膝をみると
関節というモノには遊びがありまして、少しだけ
ズレることが出来るんです。特に前後に。
先程のハムストリングと膝窩筋は
骨盤や大腿骨にくっついていて、膝関節をまたぎ
脛骨にくっついてきます。
これが硬く縮んでいると脛骨を後ろに引っ張ります。
そうしますと脛骨は後ろにズレます。
その事で、膝蓋靱帯は伸展されるストレスに晒されますので
これまた脛骨粗面を引っ張り続けてしまう。
もうこうなってしまうと、脛骨粗面に安息の日々は
なかなか来ないのです。
(≧∇≦)
それでは、こういったケースでは
どう治療していくかと申しますと
膝の裏を緩めて、前後のズレを修正して
キチンと伸展する事が出来るお膝にします。
その事によって、脛骨粗面へのストレスが
軽減すると、あとは放っておいても
治っていきますよ。
モチロン膝の裏を緩めることが出来れば!
ですが、セルフケアとしては
ハムストリングと膝窩筋のストレッチが
最適です。