膝関節の”伸展”というヒトの「動作」を
関節単体の動きと、カラダ全体での動きと
二つの側面から考える、その続きです。
2)カラダ全体の動きからの膝関節の動作
膝関節が伸展しきれないという現象を
引き起こすのは”膝関節単体”の問題だけではなく
立位であっても、臥位であっても
実は「股関節」が深く関与するのです。
股関節の前には「腸腰筋」という大腿骨(ふともも)の
上端内側から始まり、腰椎(こしのほね)に終わる
筋肉があるのですが、この筋肉が作動しますと
大腿骨を体幹部に近づける動き、つまり立位ですと
太腿を上げる動きをします。これを股関節屈曲と言います。
この「腸腰筋」が硬く萎縮していますと
股関節が屈曲を保持するので、伸展しきれないと言う
現象が起こります。
仰臥位がわかりやすいのですが、股関節が伸展しきれないで
大腿骨が床から浮いた状態になりますと、当然膝関節は
曲がってくるのです。
これはモチロン立位でも同じで、膝が軽く曲がった状態で
立つことになります。
その時、なんの力も入れなければ更に膝は
曲がっていくことになりますので立っていられなくなります。
ではヒトの身体は立っている為に何をするのかと言いますと
大腿四頭筋を収縮させて膝の屈曲に抗うのです。
大腿四頭筋が収縮しますと「脛骨粗面」にストレスが
掛かることは、これまでご説明しました通りです。
(^_^;)
こういったケースでは、股関節の硬さ(腸腰筋の萎縮)が
問題ですの、ケアのターゲットは腸腰筋になります。
股関節を伸展させて腸腰筋を伸張させるストレッチが有効です。
この腸腰筋、達人の筋肉と言われるくらい骨盤のコントロールや
体幹部のコントロールに重要な役割を果たしますので
良く使えるようにしていきましょう。
ヾ(@⌒ー⌒@)ノ